top of page

「頭重いから、首っていためやすいんだよ」???

頭は質量として重い、

その頭を首を使って支えている、

分かっています。

それで???って思うのです。

頭が重くて、頸部が細くて、

だから頸部は痛めやすい??

それでは、足首はどうしたらいいのでしょうか?

毎日、ほぼ「全体重」を預かり、

数千歩歩きまわる体重を足首で処理しています。

足首の方が悲惨なほどに頑張っていますが、

どうして足首は痛くなりにくいのでしょう?

骨格がちがうから?

具体的にぜひツッコんでお話を聞いてみたいですね。


一般論とはこのように、

なんでも単純化することで、

悪く言えば、不可解な構成で成り立っています。

そんなものを解剖学の教授の前で言おうものなら、

爆笑されるか、それ以後無視されます。

医学用語を使う、解剖学を習うということは、

その道のスペシャルの先生の前でも、

恥ずかしくないことを発言することを

「お作法」としてほしいのです。

間違ったらいけないよというより、

それがお作法であり、

作法にのっとっているほうが、

いい先生に出会える、いろいろ教えてもらえるよと言うことです。

とくに、医療関係者と会っている時には。

要注意です。


それでは具体的に、首の話に戻りましょう。

たとえば、頸椎ヘルニアや不安定性が強い場合など、

脊髄保護目的にオペが選択されたとしましょう。

「頭が重いのがいけないのだから、頭を切り落とそう」

「首が太ければいいから、首の骨を太くしよう」、

「そうだ、筋肉増強のために、筋トレしておいて」

こんなバカなことを言う医者がいたら、

びっくりしませんか?

「頭が重い」から「首を痛める」という分かりやすい発言は、

逆に言うと、上のような、身も蓋もない、

頓珍漢な結論へ私たちを導くのです。

子供相手だから、素人だから、

なんでも単純化した方がいいというアイディアに

私は賛成しません。

私の対応する人は基本的にシビアな症例が多かったのもあり、

テキトーなことを言うと、

あとで理屈が通らずにしっぺ返しにあいます。

痛い目を見るのは、クライエントや患者さんです。

それでもいいよと、私は思わないので、

安易になんでも単純化することを嫌います。


実際に、私を困らせた症例さんのお話をします。

ある楽器の先生でした。

本人はプロ演奏家でなく、教師ということでした。

教師になったのは、故障が原因で、

それが治せなかったためだそうです。

先生がうちに来た理由は故障が治らないかという相談でした。

施術で困っていた症状は容易に抑え込めたのですが、

困ったのはここからです。

実は、自分の教え子にも同じような症状の

「子供たち(複数形)」がいる、

どうやって治したのか知りたいとのことでした。

いい心がけだなーっと思ったので、

これこれで、、、と説明をしました。

先生レベルで、解剖学も習っているというので、

難易度はある程度手加減はしつつも、

うっかり別の道に迷い込まないように、

丁寧に説明をしました。

そうすると、「ああ、つまり、××ということですね。」と

10秒程度の不思議な単純化?短極?なことを言うのです。

「は?そんなにことは単純ではないよ」と思いましたが、

まぁ、仕方ない、もう一度説明をし直しました。

そうすると、「だから、××すればいいですよね」と、

言われました。

目の前が暗くなったことを覚えています。

自分自身で自分の故障を治せ無かったことを理解していない、

そもそもできてないから質問したのに、

なんで自分の理解のフィールドを広げないで、

「自分の知っている限られた知識」「思考力」の中へ

「無理やり」「はめ込んで」問題を処理しようとしており

「視界を広げて」「きちんと細かいパーツまで丁寧に扱い」

「整合性・客観性t・再現性が高い」ものにしようとしないの?


こんなことを体験しました。

単純化は構わないのですが、

そういう人は、自分の理論を強めるために、

わたしたちが話した内容の一部を湾曲したまま、

外部へ発信します。

そうして、自分の生徒の故障を治すことなく、

新たな被害者を産みます。


普段、身の回りにある情報がやけに簡単、

小学生低学年でも分かる内容しかない場合、

少し気をつけましょう。

語彙力を上げることも併せて行うと効果的です。










閲覧数:41回0件のコメント

最新記事

すべて表示

留学中は、世界中の同じ志を持った人々と共に、 プロの養成者による指導を受け、 切磋琢磨しながらプロの道を目指す場所として知られています。 しかしながら、留学許可を得るために必要なのは、 教授や先生方に「この子を育ててみたい」と選ばれることです。 日本教育のように教科ごとの成績ではなく、 一芸的な才能でも総合的に先生の目に留まればよいのです。 ただし、先生が手に負えないと判断した場合には選ばれず、

演奏家にとってのそれぞれの楽器の操作や身体の使い方の基礎練習は、 バレエ教育の分野と比較すると総じてざっくりしていることが多いようです。 これは、音楽のスペシャリストの先生方が音楽に強いけれども、 人間発達や動作系に弱いことが一因とされます。 演奏家にとっては、楽器と身体とのマッチングが重要で、 身体のサイズや各指の強さや長さ、 手の大きさや指の長さなどが個体差があります。 そのため、練習のカリキ

バレエで甲を出すことが美徳とされる理由は、 実は美しさだけではありません。 甲を高く出すことによって、 バレエのポーズやジャンプ、回転などの技術を 正確かつ美しく表現することができるからです。 また、バレエは身体を美しく魅せるだけでなく、 身体の柔軟性や筋力を鍛え、 ダンサーが健康的な身体を維持することも求められます。 では、どうすれば美しく高い甲を出すことができるのでしょうか? 甲出しの肝は、ま