シニアなプロフェッショナルから学べること
70歳を超えても、
音楽家だと現役だったり、
マスタークラスでお手本を見せたりする、
超絶にうまい、
人間的にも素晴らしい人たちがいます。
バレエ界にも多くいます。
バレエミストレスと言われて
現役プロフェッショナルダンサーを
コーチングするというスゴイ人たちがいます。
ダンス・舞踊というくくりでいえば、
長く年齢を重ねても踊れますが、
「バレエ」と制約をつけると、
平均的には40半ばには引退されます。
それくらいバレエは身体的には
熾烈なものなんでしょう。
上手くて、長生きをする人たちの特徴は、
前回の広い長い背中です。
年齢的に衰えることはあっても、
体幹は四六時中使う場所なので、
若いころにきちんと体の使い方、
強い体幹と、それに結び付く四肢を使うと、
日常的にいい状態にキープしやすいんだろうなと
勝手に思っています。
現役ほど身体的には踊れないのに、
現役に指導できるのでしょうか?
まず、「表現」だから、
年齢や現役時代に先輩に習った経験が
ものを言う部分があります。
これは分かりやすいです。
マスタークラスをyoutubeでみると、
とても勉強になります。
芸術は奥が深いなと思います。
身体的に素晴らしい部分は
お手本を見せたりします。
身体的には衰えているので、
激しいジャンプや回転は見本を見せませんが、
身のこなしかた、使い方を
要所要所で、実際に見せてくれます。
こんなことを言うと失礼なのですが、
無駄に筋肉を残していないので、
必要十分を保っているので、
要らない動作を削った、エッセンスが見れます。
またシニアでも個体差があり、
それぞれのエッセンスが異なる部分もあるのですが、
重なる部分があるのです。
そこが、人体の身体性のエッセンスになります。
話が変わりますが、リハビリの話ですが、
高齢者で脳卒中になったり、
転倒して骨折した方のリハビリをしてました。
リハビリ病院入院中にピークを迎えて、
退院した後に家族から
「どんどん体力が落ちてきて心配です」と言われる人と、
リハビリ病院退院後に日常生活の中で、
マイペースで生活の中で体力を維持できる人と、
分れます。
当然、目指すは後者です。
筋トレばっかりリハビリでやっていると、
リハビリ病院を退院すると、
筋トレなんてしないので、
あっさり、2カ月ぐらいで身体能力が落ちてきます。
これは論文のトピックになるほど、
若いスタッフを抱えるリハビリ病院の問題です。
筋トレを適度にさせつつ、
身体能力のエッセンスの部分だけざっくり身につけさせ、
身体学習ばかりさせておくと、
退院後も伸びる、もしくは安定して生活させられます。
ありきたりの反復練習だけではダメなのは
どの楽器でも、ダンスでもダメなのは知られている通りです。
動作を教える事だけでなく、
どうやって新規開拓していくかということを、
自分でできる能力を入院中に
身に着けるようにリハビリしていきます。
以前書いた、身体的に「模索」する能力です。
模索するプロセスを何度も経験させておくと、
日常的に、新しい課題に対しても、
慣れている課題に対しても、
失敗しないように、意識に上らないままに、
身体が模索してくれるようになるので、
この状態に持っていくのが、
一つのポイントです。
シニアたちはこのプロセスに入っているので、
自分の身体性だけをコピーして、
生徒に指導をしません。
生徒のコンディションを見ながら、
ご自身の経験で模索したプロセスを考え、
生徒にこうしたらどうだろうと、
提案してきているように見えます。
自分は苦なくできるけど、
教えている生徒ができなくて困っちゃうっていう場面が少ないのは
そういう仕掛けがあるように見えます。
模索する能力、魅力的に感じませんか?
現在、私の左手が電子ピアノの練習を通じて、
「模索する」練習中です。
興味があれば、
ちぐはぐな、ヘタクソな練習風景を見てみてください。
