ボディマッピングがもたらすデメリット
これは深く学ばない限り、
ほとんど気にならないかもしれません。
これは、知識の甘さ(浅さ)、
詰めの甘さが出てしまうことです。
ボディマッピングに限りませんが、
上には上がいて、
スペシャルでもさらにスペシャルな人がいるので、
そこで苦しみます。
ボディマッピングはチェリストのビルさんが発想し、
アレクサンダー教師たちがつなぎ役をしています。
ボディマッピングの教師たちは、
アンドーバーエデュケーターと呼ばれ、
毎年、アメリカの田舎で講習会をしています。
講習会をする価値があり、
継続しています。
ひとたび、アレクサンダースクールで学んだり、
本をベースに学んでいる教師たちとは
一味違うのです。
私は理学療法士をして、
アレクサンダーテクニックもオリジナルにこだわっていますが、
私がアップデートする参考にする相手は、
アレクサンダー教師でも、
理学療法士でもなく、
海外でトップアスリートたちを支える
アスレティックトレーナーです。
彼らが何を学び、
何を、どう考えるのか、
常識をどのようにぶち破ってきたのか、
常識をどのように目の前のクライエントの為に
適応させてきたのか、
そこら辺が一番面白く、勉強になります。
かれらはバレエや音楽に興味を持ってはいません。
しかし、彼らが仕上げる身体は、
「身体性」の限界を追及しています。
もちろん、各スポーツごとの競技特性にも精通しています。
また、彼らはとてもコンペティティブ、
競争が激しい業界です。
クライエントの人生や給料を決める仕事なので、
クライエントたちのトレーナー選びは
丁寧かつ、100%本気です。
そういう人たちの知識と、
アレクサンダー教師と、ダンス教師と、音楽教師。
誰が「身体性」について詳しいかと言われると、
私はトレ―ナーたちがだいぶ秀でていると思います。
さて、そういうクラスの方とお話し、
勉強するときに気が付くのは、
彼らの視点がとても高い、俯瞰できている点です。
ボディマッピングという視点を
自分のクライエントに与えません。
クライエントの意識に挙げることを良しとしていません。
クライエントの意識に上がるべきものは、
本番では戦術であって、
トレーニング中では、
そのトレーニング・筋トレなどをどう実践に生かすかに
焦点を当てられており、
いちいち、骨を意識するほどのんきではないのです。
意識することの優先順位が高くないという答えが、
一番分かりやすく、正確かもしれません。
彼らは運動動作系でなく、
動作神経系や認知系についても詳しいので、
単純に動けばいいなどとは思っていません。
俊敏性や長時間のゲームに耐え抜くための、
集中力なども一緒に高めていきます。
こんな感じで、ある程度のレベルになると、
骨の情報などいらないのです。
「洗練」された経験、知識のみを
優先的にインストールしていきます。
アレクサンダーお爺さんはあくまでも故障した、
アスリートでない一般人の
しかも、19~20世紀のお爺さんです。
当時の身体の使い方の理論の中で認められた存在でしかありません。
その内容をベースにしたものをインストールすることが、
優先順位が高くないという説明になっているでしょうか?
また、整形外科分野で解剖学を習っているものなら、
アレクサンダー教師たちのホームページや
ボディマッピングの発言にたいして、
容易に間違いを指摘できてしまいます。
わざわざ口に出すのがめんどくさいので、
発言しないだけです。
例えば、、、、
重心線の話の時にはスルーしましたが、
大転子や肩峰は、股関節や肩関節を意味しないという点です。
私たちにとって、
大転子は大転子でしかなく、肩峰は肩峰です。
レントゲンで大転子という部位をみて、
「股関節」やられているねとは判断しませんし、いいません。
それこそマッピングをするひとならば、
数センチの違いが大事なことは分かっているはずです。
数センチ間違ったマッピングが、
ダメージをもたらします。
重心線の話をするときに、
側方から評価するときに、
大転子や肩峰を重心線が通ると言います。
肩峰の下に上腕肩甲関節があると言えなくもないので、
肩関節はいいとしても、
股関節は大転子よりも前方に位置します。
またそれは頚体角や前捻角の個体差があるため、
大転子でざっくりくくるのは、
「簡単」「わかりやすい」説明ですが、
逆に、あるレベルになると、
単純化させすぎた説明になります。
複雑な現実を受け入れる準備ができている方には問題ありません。
むしろ、楽しんで理解してくれるので、
こちらとしてもうれしく、頼もしいです。
ここら辺まではアスリートの身体を預かっている者ならば、
自然と考えてくれます。
ここがボディマッピングで満足する人と、
もっと深堀りする向上心の強い人との違いです。
私からの提案としては、
ボディマッピングは「足がかり」として
とらえるというススメです。
足がかりを使って、次のステップがあるということを
当初から理解しておくことです。
分かりやすく言えば、入門編です。
入門と言う以上、次があるのは分かっていると思います。
そこをふまえておいて、
是非勉強してみてください。
そして、よかったら初級、中級、上級編へと、
学びを深めつつ、いいパフォーマー兼教師になってください。
また、早く故障から復帰しましょう。
