信頼できる(?)エビデンスのランク

エビデンスや解剖学は

音楽家さんや、ダンサーさんたちで、

神のようにあがめているひとがいます。


医療界においては、

エビデンスはエビデンスという情報としかとらえていません。

もちろん根拠として頼りにしていますが、

真実ではない、あくまでも研究論文でしかないと思っています。

臨床応用については注意が必要だからです。


信頼性について、分かりやすくランク付けがあります。

メタリサーチという、

あるテーマにとって色んな論文を比較検討して、

それがどういう意味があるのかを示すものです。

これが一番高い信頼性があります。

いくつもの論文をさらにまとめたものだからです。

また、ガイドラインというものも比較的頼りになります。

ただ、ガイドラインは基本的には治療法についてのもので、

数年に一度改定され続けます。

高血圧とかにはガイドラインがあります。

昔は180以上で高血圧でしたが、

今は140越えれバ、高血圧と診断可能です。

まぁ、高齢化が進み、高血圧を積極的にコントロールしていこうという

その試みの結果として、

いい傾向があるために、その方向で推進されていきます。

ただ、それはアップデートされうる知識です。


メタ分析論文に対して、一番エビデンスとして弱いのは、

個人の意見、経験についてまとめたものです。

これは「n(研究対象母数)が1」と言われ、

結局のところ、その症例の話だよねとまとめられるからです。

nが大きくなる論文の方が興味があるのは当然です。

ただし、nが大きくなる分野でしか

このパターンは成立しないので、

音楽家やダンサーのnが少ないので、

論文はあてにしずらいのです。


研究デザインという視点において、

意味のあるもの、

整合性、一貫性、客観性っていう基本的視点がない場合には、

軽んじられます。

例えば、、、??


これはディスっているわけではなく、

こういう考え方をして論文を見ていますという例ですが、

オーストラリアンバレエが出した、

カーフレイズ(つま先立ち)の練習を強化したら、

足の故障が減ったという話です。



母数は団員なので、50~100程度は期待できます。

ただ、全員プロです。

もともとどんな故障が多い傾向なのかは、

バレエ団次第で違う気がします。

結局はトレーナーの目が光っていれば、

そのトレーナーの弱みが反映されやすいことが予想されるからです。

トレーナーが複数人存在する、

もしくは、野球人やサッカー人たちのように、

選手それぞれにプロを雇っている場合には、

選手たちも色んな情報が手に入るので、

色んな知識・経験を持っているので、

怪我の方向性はスポーツ特性に基づくものになる可能性が高いです。


さて、そんなバレエ団で、足のケガが統計学的に有意義に減った。

つまり、、、逆を言えば、

それだけ放置していたという疑いが頭をよぎります。

腰痛の人に

体幹や下肢のストレッチした方がいいよ、

筋トレもした方がいいよ、

使い方も気を付けた方がいいよ、

そうしたら、当然、腰の故障は減る気がしませんか?

筋トレ一つだけで故障が減る?????

筋トレだけでいいの??

それで統計学的に有意差がでるの????

あれ??統計学で有意差を出すって、

そんなに簡単???

え?そもそも、プロ相手に今更筋トレだけ??

むしろ、プロで筋トレだけで有意差が出るって、

いったいどんな仕組みが考えられるわけ?

過酷なリハーサルシーズンでの耐久性が、

カーフレイズだけで確保できる???

いったい、どんなカーフレイズでその効果がでるの?

どんな姿勢のカーフレイズで効果が最大化、最小化するの?

それって、プロじゃない、アマチュアでも同じ?

そのまま子供たちや愛好家にも通用する?

っていうか、動作分析ベースで研究しないの?

3Dの動作分析機でも、反力計でも、

そういうのを使って分析しないの?

それをふまえて発表しないの??

一回目の報告から数年たっているけど、

追加の研究報告がないのは、いったいどうして??

研究する気あるの?

他のバレエ団からは、何故それを取り入れていながら、

ポジティブだったという報告が上がってこないのか?



言いだせば、まだまだ続きます。

これが疑うっていう行為です。

整合性があるのか、研究デザインとして信頼できるか、

応用できるのか、

そこら辺を加味してペーパーを読むのです。


もちろん、やらないよりやるに越したことはありませんので、

いい論文だと思います。

あくまでもnはオーストラリアバレエ団に限定されています。


さて、どうでしょう?

いいと言われている論文でさえ、

突っ込元うと思うと、何でもできるのです。

それなのに、個人のアセスメント(評価)能力が保障されていない人の、

思いつき?ワンダリング?(○○かなーって思った)を

いちいち相手にするのは、、、、

私から見ると、時間がもったいないのです。

むしろツッコミ練習にしかなりません。

経験があり、目や耳が肥えている音楽ダンス教師の言うことなら、

再現性が高い可能性がありますが、

もちろんそれは彼らの評価能力や思考能力の影響を大きく受けるので、

そこを加味して理解しておかなければいけません。



エビデンスとはこういうものです。

解剖学においても、どれだけ信頼性のある研究なのか、

ただ単に、昔の教科書のどこかを抜き出して書いただけのものは、

それはタダの昔の教科書の再構成にしか過ぎないのです。

そういうシビアな視点で、

解剖学やエビデンスという言葉と向き合ってくれると幸いです。


なんちゃって医師が患者さんに迷惑をかけるように、

なんちゃって情報源は、ダンサーや音楽家に

イマイチわけのわからない知識を押し込み、

「呪い」をかけます。

呪いをかけられると、時間とお金がもったいないのは、

数日前に書いた通りです。


どうか上手にネットの情報とお付き合いください。

また、願わくば、多くの人がオープンに

色んなリソースについて意見を交わすような場ができますように。








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