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時間とお金がもったいない、「自己診断」する人々


自己診断する人がいるので困っています。

直接遭遇することもあるのですが、

SNSでもそういう人がいること、

またそういう方を対応しているときに

コチラが正直に思うところ、

困っていることを

ちょっとシェアしたいと思います。



自己診断するひとの共通点は、

問題解決力がない、、というか、

問題が解決していないのに、

その治療環境に甘んじている人が多いです。

自己診断しない人は、

問題が解決しないと、

言い方が悪いのですが、

その治療者を見限って、次に行きます。

ただ、自己診断しちゃうタイプは

治る、治らないという次元だけでなく、

どうそのプロセスについて、

理解しようという姿勢が見られにくいです。

完璧に、誰かが、治してくれる的思考です。

もちろん、オペとか、麻酔とか、注射とか、

そういったことで対応できるものもあります。

ただ、そういう処置・オペが必要になっているという、

現実までのプロセスを理解していません。

疑問に思っていないという感じもします。



自己診断している人と片付けましたが、

「それはどうなの?」という

診断名を「まことしやか」に話す人々です。

①自分自身でネットなど調べて、なぜかその診断をする

②医療機関に行かず、整体やらマッサージか何かで、

その施術者との話から、勝手に自己診断する

③専門医以外に診断を受けて、

それを真に受けている場合もあります。

これは医療サイドの責任でもありますが、、、。



自己診断するデメリットは、

①治療者側に適切な説明をするチャンスを与えない、

もしくは、説明までに長い時間を要する

②運よく説明を受けることができても、

それを受け入れるまでに多大な時間がかかる

もともと受け入れがいい場合には、

自己診断するという暴挙は行われないことが多いです。

こうなると、治療サイドがかなり気を使って

説明・話していかないといけません。

そうすると時間とお金の消費・浪費します。

これもプロセスなので、仕方ないのですが、

正直もったいないとも思っています。



分かりやすい例はヘルニアです。

頸椎、腰椎でよく起こるヘルニアですが、

腰椎に関しては、基本的に安静にするだけで、

6割程度は改善が見込めます。

こういう論文がきっちりあります。

しかもエビデンスとして、信頼性が高いです。

実際に脊柱の臨床医たちでは当然に知られています。

症状は四肢の神経症状などですが、

首が痛い、腰が痛いだけということは、稀です。

ちなみに、画像診断することが必須です。

しかし、、、

今までに、首が痛い、腰が痛いだけで、

ヘルニアと自己診断したり、

診断されたという人に結構お会いしています。

ネット上でも、

どこどこでヘルニアが何かをしたらったとか、、、。

安静提案のシーズンにされるべきことは、

ヘルニア部位への保護、機械的刺激の回避方法の指導と、

安静による、体力・筋力低下の予防方法の指導です。


そのようなことを知らず?知らされず?

自己診断している方に、

「診断されたのは誰ですか?」

「MRIを撮りましたか?」

「どんな症状が出ていますか?」

「その診断を受けて、どんな治療法を提案されていますか?」

ここら辺を聞くと、

どこまで何を知っているのか、分かります。


ヘルニアは医学的診断名として

比較的確立されており、

症例数もあり、エビデンスも集めやすいので、

ご説明が簡単なのでいいのですが、

苦労するのは、音楽家やダンサーさんです。

そもそもの症例数が多くなく、

「信頼のおける」エビデンスは前回お話した経緯から、

ほぼありません。

エビデンスというより、 あくまでも統計学上の処理というレベルです。

信頼のおけないものならネット上や書籍にも多数存在します。

そういう情報にのみさらされているので、

スポーツ整形や専門整形の視点からの

応用的見解を説明しても、なかなか通じません。

ある種の「呪い」的、知識・思考に縛られているので、

その呪縛を解き放つのはこちらもクライエントも大変です。



そういうわけで、自己診断は危険です。

というよりも、時間とお金がもったいないです。

困ったことがあったら、

きちんと対応できる医師の診断、治療を受けるのが

おススメです。


ポイントは、

診断するための検査や評価は何をしたか、

診断名の病状を説明してくれたか、

診断名の一般的な治療プロセスを説明してくれるか、

治療の選択肢を提示し、こちらに選ばせてくれるか、

必要なら追加検査や専門家への紹介をしてくれるか、

ここら辺の選択肢を選ばせるために、

丁寧に説明してくれます。

こういう医療者、医師の話を聞きましょう。

その方が時間とお金が、、、

更に言うと変に不安になる心配も減ります。

どうか、自己診断する人が減りますように。



追伸:

医師によっても専門外ですと、

とんでもないことが起こります。

今まで、かなり衝撃的だったのは、

「膝捻挫」という診断名です。

「足関節捻挫」は靭帯損傷の代わりとして

使われることがあるのですが、

膝は、靭帯が足関節より少なく、

どの靭帯損傷か断定しやすいので、

キチンと○○靭帯損傷と診断がうけれるものです。

また、その靭帯次第では、

半月板損傷を合併している可能性が変わるので、

専門医にかかっていれば、その知識があるために、

きちんとどの靭帯がどの程度損傷しているのかまで、

ジャッジします。

ちなみに、整形外科医が「膝捻挫」の診断をしました。

正直、びっくりしました(苦笑)

整形外科医ではなく、その関節ごとのスペシャリストに会いましょう。



また、スペシャリストでびっくりしたこともあります。

「手の外科」で名前を売っている、

某大学病院の教授先生が、

ばね指の保存療法はないといっており、(?!!!)

さらに、それでもリハビリをしたければ、

手を心臓より高く保つように指導しておいてと。

ちなみに、手を心臓より高く保つのは、

手術した後には絶対的にやります。

手術していないばね指にそんな必要はみじんもありません。

マジメにリハビリスタッフと働いたことがないなと、

すぐにわかります。



こういうビックリ案件が、

医師の診断をもってしても起こります。

キチンとしたトレーニングを受けていない外科医は、

怖い、、、ということです。

というわけで、外科医でもないひとが、

画像診断も、身体所見も評価できず、

治療法にも明るくないのに、

診断することはとても馬鹿らしい、

時間とお金の無駄になります。

ご注意ください。







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外反母趾は仕方ないと思っているプロがたくさんいる。 ちなみに、プロとして困っていない、 外反母趾だからと職を失うことははない人です。 有名なダンサーさんたちでも、 有名な先生でも外反母趾の人はたくさんいます。 靴選び以外で困っている実感はないそうです。 これが現状だと思います。 リハビリとしてはプロで大人で困っていないなら、 「まぁ、様子見でよろしいですねー」と言っておきますが、 実際には、「うー