top of page

楽器を演奏するための「正しい」姿勢はあるのか?

私はピアノや弦楽器やボーカルにご縁が多いのですが、

よく、正しい姿勢というの聞かれます。 教科書にある正しい姿勢は、とても「あり」だと思います。

楽器の持ち方も知らない人に、

こういう風に持つんだよ、立つんだよっていう、

全くの素人の為に、「正しい姿勢」があると思っています。


では、ある程度弾けるようになってきた人には、

それが通じるのかというと、

私はそこを疑問視しています。

否定はしませんが、万人に通じないと思うのです。


今回は楽器をテーマにするのでわかりやすいですが、

楽器はサイズが決まっています。

180センチの大人と150センチの大人でも、

大人用の同じ楽器,ピアノでもコントラバスでも扱います。

右や左に身体を動かさなくても手が届き、

力が入る男性もいれば、

手や背筋の力が男性ほど強く無い為に、

体幹を手元へ引き寄せる選択をする女性や小柄な人がいるでしょう。

だから、まずは、「性差」や「体格という個体差」があることを

把握してください。

そこを配慮しなくてはいけないので、

その配慮をするために、キレイな姿勢を崩すのは「あり」なのです



また、別の話でピアノの話ですが、

ピアノであれば、背もたれの話もあります。

お腹なお大きなお爺ちゃん先生は、

足を前に美よ~んと伸ばして、

胸椎で背もたれを上手に使って、

まるで、ソファーに沈んでいるように見えます。

あれは、あれで上手に体感を固定させることで、

末梢という手を上手に動かす「戦略」なのです。

個体差というわけではなく、戦略です。

お爺ちゃん先生たちはうまいので、

背中をまっすぐにして演奏してみてほしいとお願いすると、

きっと嫌がりながらもキレイに演奏できます。

これが、「選択肢が多い」という、スペシャルな部分、

姿勢が「いい」「悪い」だけではないレベルの話です。

別にうまくなれば、どんな怠けた姿勢からでも

いい音を引き出せるようになります。

これは本当です。

アレクサンダーでさんざん頭部コントロールを

大切にしていますが、

それよりもさらに上のランクの話があるのです(笑)

ただ、これは、俗にいう、巨匠という人々の話です。



一般の人には、

「いい姿勢」を取ることを勧めます。

それが、一般的な操縦方法だからです。

手指という小さな小さなパーツが疲れることなく、

長く演奏し続けるためには、

体幹・肩・肘・前腕を上手に使いこなさなくてはいけません。

その中枢が体幹・「姿勢」なので、

基本的にはまずは、いい姿勢を作ろうと提案するのです。

もともとうまい子供、タレンテッドちゃんたちは、

はっきり言って、ハチャメチャに見えるかもしれませんが、

彼らも巨匠に近いことをしているので、

あの子たちの姿勢を矯正しようとするのはやめておくことをお勧めします。



さて、いい姿勢、体幹についてはイメージが付いたでしょうか?

手が背中から生えているということが理解できると、

ここの部分が大幅にわかりやすくなります。

これはインスタに挙げてあるのですが、

次回にでもご紹介しますね。


閲覧数:69回0件のコメント

最新記事

すべて表示

留学中は、世界中の同じ志を持った人々と共に、 プロの養成者による指導を受け、 切磋琢磨しながらプロの道を目指す場所として知られています。 しかしながら、留学許可を得るために必要なのは、 教授や先生方に「この子を育ててみたい」と選ばれることです。 日本教育のように教科ごとの成績ではなく、 一芸的な才能でも総合的に先生の目に留まればよいのです。 ただし、先生が手に負えないと判断した場合には選ばれず、

演奏家にとってのそれぞれの楽器の操作や身体の使い方の基礎練習は、 バレエ教育の分野と比較すると総じてざっくりしていることが多いようです。 これは、音楽のスペシャリストの先生方が音楽に強いけれども、 人間発達や動作系に弱いことが一因とされます。 演奏家にとっては、楽器と身体とのマッチングが重要で、 身体のサイズや各指の強さや長さ、 手の大きさや指の長さなどが個体差があります。 そのため、練習のカリキ

バレエで甲を出すことが美徳とされる理由は、 実は美しさだけではありません。 甲を高く出すことによって、 バレエのポーズやジャンプ、回転などの技術を 正確かつ美しく表現することができるからです。 また、バレエは身体を美しく魅せるだけでなく、 身体の柔軟性や筋力を鍛え、 ダンサーが健康的な身体を維持することも求められます。 では、どうすれば美しく高い甲を出すことができるのでしょうか? 甲出しの肝は、ま