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演奏家の言う脱力とは

「ピアノは腕の重さを生かして弾くんだよ」。

私がど素人の時は、何も知らないので、

「へぇそうなんだー、よく意味わからないなぁ」と、

聞き流していましたが、

この言葉をいろんな人から聞くようになり、

どれほどピアノ演奏者がこの言葉に縛られているか、

気が付くようになりました。



ピアノの演奏家に限らず、

演奏家の皆さんはご自身たちが特殊アスリートで、

3分や5分の間にどれだけ指や腕を酷使しているのか、

考えてみてほしいし、

長い楽曲をまるまる暗記するということが、

どれほど異常(普通の人にはなかなかできない)のか、

自分たちが「表現する特殊系アスリート」であることを

まずは理解してほしいなぁと素朴に思っています。

アスリートなんだから、ケアをしたり、

どうやったらうまく行くのか、

最近の現代的医学なり体育学なりを使って、

きちんと勉強してほしいし、

その結果として音楽家として生き延びてほしいと思っています。



ところが、現実はどうやらクラシック(古典)なままで、

病態を表したりする表現がきちんと存在せず、

あっても、上記のように「ふんわり」したもので、

しかも、その表現型は数種類で、

腕の重さとは違うトラブルをかかえていても、

本人はそれが原因だと思い込んでいる方もいました。



さて、「力み過ぎ」はいろんな楽器で遭遇するトラブルです。

客観的にみる、脱力の魅力は省エネです。

無駄に力を使わないから、長持ちできます。

筋肉を締めていないために、血行が良く、

回復のチャンスが得られるためとも考えられています。

分かりやすいのは、

緊張して呼吸を止めるか、浅くしていれば、

(演奏もできますし生きていますが)

パフォーマンスがイケてないとわかるでしょう。

その為に脱力をしようというのです。

ただ、力を抜けばいいのではなく、

目的はいい演奏をすることのはずです。




では、まず効率的に力を抜くにはどうしたらいいでしょう。



筋肉それぞれには役割・特長があります。

小さい筋肉は細かい動きを担当、

二関節筋たちはスピードのある動きを出せることが多い、

筋肉は長すぎては、スピードが出せない、

短すぎては、可動域として不足したり、

筋連結の問題上、ほかの指の動きに対して、

良くも悪くも影響を及ぼします。

あるべき動きを、やるべき筋肉が理路整然にやればいいのです。

脱力しよう、力んではならないとあいまいに思うよりも、

自分よりうまい、世界一流の人たちが、

いかに、理路整然とした体の使い方をしているのか、

見て、研究してみればいいのです。


ただ、いきなりまるまる自分に当てはまりません。

身体の多きさや筋肉や脳みそが彼らのものです。

彼らの「個性」「キャラクター」「人間性」です。

自分の体の構造的強みや弱みを理解しつつ、

自分のキャラや人間性を理解したうえで、

一流さんたちの「理路整然さ」を どのように取り込んだらいいのか、自分に上塗りするのか、

自分の頭を使って研究してほしいです。

なぜなら、演奏中に体を動かすのは、

彼らや私の脳みそではなく、あなたの脳みそだからです。

研究のお手伝いが必要なら手伝います。

かくいう私も息を吹きこむ楽器は、

いまだにその「理路整然とした動き」を探しています。

そんなこんな過程を経て、手に入れたものが、

自分に相応しい、

キャラ・身体機能ともにピッタリくる「理路整然さ」であり、

「脱力できた」という結果になるのです。


ここまでが、脱力の話です。




さて、私がこのトピックで言いたいのは、

安易に他人に施術してもらってもダメなんだよってことです。

自分に向き合うことが足りなかったり、

身体機能に対する理解が不足しているか洗脳されている場合、

私が関わっても、なかなか安定した結果が出ません。

私が「理路整然さ」について説明しながら施術しても、

リラクゼーションマッサージに来ているように聞き流していたり、

体について「検索」・「模索」しないでいると、

「理路整然と体を使いやすいコンディション」になっても、

それを使う頭は、何も考えていないから、

施術前の頭と同じ頭の回路で体を動かすので、

ほぼ、同じ音しか出てきません。

明らかに、姿勢や呼吸はよくなっているのに、

ほぼほぼ、同じ音しか出てこなかった、

残念な経験を本当にしたことがあります(苦笑)。



こういう複雑な構造の上にようやくいい音楽がうまれるという、

あくまで私の私見です。

もし私と関わることがあるのなら、

とくに、「音探し」を一緒にする場合には、

いいワークが「一緒にできる」ことを楽しみにしています。

あなたが、あなたの身体の主であり、楽器の一部なのですから;)

#イワシ整体Lab #音楽 #脱力 #ピアノ #腕の重みを使って演奏する #具体的解決策 #理路整然さ #自分の頭と体は楽器の一部














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