筋肉の深掘り、筋構造
筋肉の話の続きで、臨床家的な視点の紹介です。
筋肉の作用が「○○関節の屈曲」とかではなく、
もっとダイナミックな視点で、
筋肉の特性について面白く考えてもらえるといいです。
筋肉の勉強の入り口では
筋肉の始まりと終わりと作用を暗記します。
臨床的に応用力、奥行きを持たせるために、
筋繊維の構成や神経の付き方を考えておくといいです。
筋肉は小さな筋細胞の単位の連なりなので、
筋肉は無限に縮むことはできませんし、
それぞれの筋単位の出力量は同じなので、
大きな緊張力を出すには、
大きな数の単位数が必要なことが必要です。
実際に一つの筋肉でも、
太ももにあるような長い筋肉たちは、
股関節の近くと、膝の近くでは
持っている作用が異なったりします。
筋肉の形状の把握も大事です。
筋単位がどの向きに並んでいるのかが、
その筋肉の縮む「量」と「方向性」を決めます。
羽状筋とか、鋸筋とか、多腹筋とかあります。
ふつうに紡錘形の上腕二頭筋のような、
骨→腱→筋腹(オリジンとアタッチを直線で結ぶものと同じ)
→腱→骨というシンプルな作りのものばかりではありません。
例えば、羽状筋は、筋単位はオリジンとアタッチの向きと違います。
斜めの角度に入って、腱が長く張っています。
同じ膝の屈曲でも、同じ作用を持つ筋肉が
いくつもあります。
ですから、他の筋肉との力の入りやすさ、
正確には関節の角度と筋肉の位置で
どの筋肉のどの繊維が強く働くかが決まります。
足首や手首は「首」という名前の通り、
ボトルネックの形を作っているのと、
足や手はとても細かい動きをするのが仕事で、
ほぼ無意識に寝ているとき以外使うので、
筋肉を大きくすることよりも、
器用で耐久性のある事がとても重要になります。
そのうえで、筋肉のサイズアップです。
バレエのように日常的には使わない角度で足を使ったり、
サッカーのように、足でボールを操作するなど、
特殊な動きをするときには特に重要です。
次回は、膜、腹筋壁について書いてみます。
