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解剖学をどれくらい、まなべばいいの?

解剖学を学ぶって一言で言っても、

それだけが意味がないですよっていう

話の続き。



さて、解剖学や運動学などのスペシャリストたち、

まぁ、医者を始め、

国家試験を持った人たちなみに、

学べっていうことか?っていうと、

そうは思ってません。

実際に、国家試験に受かっている有資格者が

ダンサーや音楽家の腱鞘炎にどれほど無力か、、、

正式にはほとんど相手にしてもらえない?

無視される?のを知っていると思います。

医療メンバーは、あくまでも

病院でよくある「病気」、

保険診療で行う「病気」のために、

養成されているので、

それ以外のことを聞かれても知らないんです。

ダンサーや音楽家の故障のことは

習わないので、たいして知らないんです。

基礎研究自体もたいしてない、、、

正確には、研究する興味のある人がいないので、

「未開の地」なのです。

だから、彼らはあまり役に立ってくれません。

彼らと同じトレーニングを受けるのは、

時間がもったいないというか、、、。

視野は広がります。

この視野の広さをもっていないと、

ライセンスを持っているだけでは意味がないのです。

だから、同じ勉強をしても、

意味がないのです。



ここまでくれば、漠然と「解剖学を学ぶ」ことが

ナンセンスなのは、わかってくれると思います。

解剖学などはあくまでも基本知識で、

それをどうパフォーマンス向上、

障害予防、など目標を定めないと、

いけない??(迷子になる?)のです。



パフォーマーたちは一応アスリートになるので、

イップスやジストニアを除けば、

基本的にトラブルは整形外科が対象になります。

ただ、同じ整形でも、何事も、専門化していくのです。

スポーツ科目ごとに専門化していったり、

手術が得意な先生と働いていると、

その先生の得意な手術の症例をいっぱい担当しますので、

そういう風に専門化していきます。

特に、医師のリハビリへの要求が高いほど、

こちらとしては、ハイレベルな状態に

患者さんのコンディションを引き上げないとならないので、

ただ単に、オペ症例数がおおいだけでなく、

いい理学療法士やアスレティックトレーナーを

雇っている先生が大事になります。

(オマケ、こういう先生は物理療法の

牽引やホットパックだけを

「その場しのぎにしかならない」といいます)。



さて、こういう専門性が問われる世界において、

「競技経験」をどれくらい評価すると思いますか?

実は、結構大事にされます。

私はサッカー病院にいましたが、

サッカー経験者じゃないので、苦労しました。

まず、話が全体として合わない。

戦術の話が分からない。

歴代有名人が分からない。

まぁ、ここら辺は分かりやすいですが、

ここは本質ではないです。

分らなくてもいい範囲です。

うっかり、過剰に介入すると失礼にあたるので、

会話は基本医療の範疇のみです。

ここはお作法なので、

レベルが上がってくれば来るほど、

大切にされます。

趣味・愛好家でやっている方は

逆にあれこれ戦術話を好みます。

ここはあくまでサッカー監督がたちの領域ですので、

チーム専属であるとここらへんもとても責任を持ちます。


さて、本当に苦労するのは、

必要動作のピックアップに時間がかかるのと、

障害からの復帰・合流までの

プロセスの予定が立てられないことです。

ここはかなり苦労します。

シーズンの在り方、過ごし方、

基本トレーニングのバリエーションと

その選択の趣味から指導者のランクを測るとか、

ここら辺はどうしようもなく、

苦労しました。



ただ、ここで苦労しておいたので、

いきなり海外でバレエとか、音楽とか勉強を始めるのも、

この時と同じなので、

さほど心配なく、

知らないことを恥ずかしがらず、どんどん質問しまくり、

知らないがゆえに、彼らの一般論を疑ったり、

平然と、

「なぜターンアウトしないとけないのですか?」

「なぜ楽譜が読めないといけないのですか?」

などと、彼らにとっては哲学的な?質問をしました。

私の立ち位置は「治療者」なので、

「私は演奏家、パフォーマーではない」と明言して、

やりませんというのは、こういう下地から、

パフォーマンスの本質を積み上げていくからです。



ここが理解できないと、

解剖学を、神経科学をまなんでも、

必要な切り口が得られなんです。

医療の臨床家でも大事なポイントなんですが、

「(限られた)知っている知識・枠に相手をはめ込んでいく」人と、

「相手のわからないところを分るために教科書や論文を調べる」人に、

分れます。



解剖学をどこまで学べばいいの??

分らないことに出会う経験を繰り返し、

そうやったら問題解決できるのかを、

先行研究を調べ、また、臨床思考を組みたてて、

実証していく力がつくまで、

ここまで学んでただけると幸いです。

それができれば、

医療者たちの思考がわかるので、

彼らとのコミュニケーションも楽になりますし、

身体をより効率的にケアする、

成長させる、「発達」を理解するなどできます。

ここまでできてくれると

元医療スタッフとしては心強いです。













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外反母趾は仕方ないと思っているプロがたくさんいる。 ちなみに、プロとして困っていない、 外反母趾だからと職を失うことははない人です。 有名なダンサーさんたちでも、 有名な先生でも外反母趾の人はたくさんいます。 靴選び以外で困っている実感はないそうです。 これが現状だと思います。 リハビリとしてはプロで大人で困っていないなら、 「まぁ、様子見でよろしいですねー」と言っておきますが、 実際には、「うー