趣味とプロ
- イワシ フミ
- 3月19日
- 読了時間: 3分
バレエでも音楽でも留学してプロになりたいってひとは、
もともとバレエや音楽がとても好きで趣味なんだろうと思います。
一方で現役プロの人々は
ダンスや音楽を愛しているとか大好きだとかは思うと思いますが、
ダンスや音楽が趣味かっていうと違うことが多いと思います。
趣味は別で持っている事が多いです。
プロ組はそれが「仕事」でもあるので、
技術的にうまいとか、アート文脈を理解するのもうまいし、
それらを踏まえて、自分の特徴を活かす表現もうまいし、
周囲との相性を計算するのも当然プロなのでできます。
「好き」だけでは生き残れない、選抜されないからです。
こんな猛者・モンスターがひしめくプロの世界に入るのは、
すでにいる猛者たちと比較して
自分がテクニックで秀でているだけでなく、
魅力的だと思わせるだけの実績と将来性が必要です。
これがプロの世界でも世界屈指であっても、
地域の州立劇場でもプロになるっていう具体的レベルだと思います。
こ゚縁やタイミングの問題はあるものの、
オーディションや短期留学の「(あと一歩の)常連さん」と言われる場合には、
常に落とされるだけの理由があります。
プロとして、その留学先の生徒ならば
見えていてほしい、聞こえていてほしい、知っていてほしい世界が
明らかに見えてないということだと思います。
私は身体性のサポートをしますが、
音楽家なのに私より音が聞こえないとか、
ダンサーなのに私より目が悪いとか、作品の理解がない状態では
何度挑戦してもポジションは取れないと思っています。
基礎理解や素養がない人が身体操作だけの趣味アスリート(愛好家)にはなれても、
そんな中途半端な「アスリート」をカンパニーやシアターは望んでないからです。
すでにいるカンパニーメンバーに加えてみたいと思える
総合的に魅力的な「アーティスト・パフォーマー」がほしいとおもいます。
私のもとで身体性についてのサポートはしますが、
その中で、見えてない、聞こえてないと指摘されたときは
冷静に、むしろ自分が見ている世界が狭いこと、
プロの探究心や勉学を舐めてかかっていることを理解してください。
彼らが切磋琢磨してでも見聞きしているものをもっと知ってください。
子供にも大人にも、親御さんにも言いますが、
「できている」と思う人は伸びません。何度落ちても相手に不満を漏らしておしまいです。
「褒められないと続かない」人は向きません。
才能もあって、加えて努力している人が世界にはたくさんいるからです。
プロを夢見て留学を目指す場合にも基本的には同じです。
真摯で、大量の熱量を持っている人だけが進める世界です。