運動学入門に際して学んでほしいもの「MMT」
関節可動域(通称ROM、range of motion)は
なんとなくわかる方もいるのですが、
MMTを知っていらっしゃる方は少ないので、
少し頑張ってください。
MMTはmanual muscle test、徒手筋力テストの略です。
徒手で特に道具を使わずに、筋力を測るテストです。
これは、筋肉の強弱を表現します。
筋力が十分に強いのか、強化の必要があるのか判断したり、
どの筋肉がトラブルメーカーなのか、
はっきりさせるためにも、知っておくと便利です。
何より、筋肉を暗記する助けになります。
そういうわけで、入門として把握しておいてほしいのです。
MMTは0~5までの6段階評価です。
0は筋肉に力が入らない状態、神経麻痺の人に見られます。
1は筋肉が収縮するが、関節運動は起こせない状態です。
2は筋肉が収縮し、関節運動がわずかに可能。
3は筋肉が収縮し、関節運動が重力に抗して動かせる状態。
4は筋肉が収縮し、軽度の抵抗に抗して関節運動が起こせる。
5は筋肉が収縮し、十分な抵抗に抗して関節運動が起こせる。
神経麻痺がない状態で、012を見ることは少ないです。
3は時々一般人でも見かけます。
私は肘の進展筋力が3~4で、「激弱」です。
一般人はおおよそほとんど4か5だと思います。
具体的な方法論としては、
ROMの時に覚えてもらった関節運動ごとに
筋力をチェックしていきます。
臨床家としては、筋肉ごとに取れるようになりますが、
入門編としては、あくまで筋肉を覚えるきっかけ、
そして、代償運動trick movementを見破ることが、
実際の運動学の理解を深めてくれるので、
たんぱくに見えても、最初はそれだけで十分です。
ある専門学校の動画を付けます。
https://www.youtube.com/watch?v=aRnu72adZCU
肩関節屈曲を例にとると、
肩の屈曲に作用する筋肉は、
三角巾前部繊維、二頭筋長頭が主動作筋です。
補助筋は、、、ビデオでは棘上と言ってますが、違います。
ポイントは筋肉の触診の位置、
どんな代償運動があるのかを頭の中で整理することです。
簡単に書いていますが、
養成校でこのMMTを習う実習だけで結構な時間を使いました。
2時間のクラスが9回くらい(2カ月くらい)あります。
かなりの量を暗記しますが、
頭の中で整理されるととてもすっきりと覚えられます。