「適応」と「禁忌」、苦言を呈するとき
この仕事をしている中で、
治療者、演奏者、ダンサーでも
経験のあるなしを見極める時に
気にしていることの一つが、
現場の分析能力の一つと、
もっともリスクが低く、
メリットの大きい選択ができるかを見ています。
色んな理論や治療法には
最適な対象、こういう状態の人に利用してください、
こんな人には使わないでください、
適応、禁忌、注意して利用して可能、
上記のものがあります。
色んなテクニックを持つときに大事なのは、
ひとつのテクニックがもつ
「適応」と「禁忌」を知っていることが
治療者として最低限の条件です。
これは、治療だけでなく、
演奏やパフォーマンスにおいても、
何がその場その場で適切なのか、
見極めるのが、
パフォーマンス全体を仕上げる能力として必要です。

何かやりたいことがあるときに、
すぐに頭に思いつくテクニックに走らず、
色んなカードを持って置き、
どのカードが最適なのか、考えてみてください。
また、ある程度経験を積むと、
一般には避けるように、もしくは禁忌扱いでも、
細かく確認し、なんとかできるようにすることがあります。
リスクの可能性があっても、
それを最小限に抑えて、
大胆にそのテクニックを応用して使う人もいます。
この応用技がとても面白いのですが、
この応用はいろんなカードを持っている人ができる技です。
時々、先輩のセラピストの技の表層だけを見て、
やり方だけまねている後輩も見ますが、
実はテクニックそのものよりも、
上手にそのテクニックを
多数のテクニックから選び抜いたことが
素晴らしかったりします。
一方、これに気が付かない後輩セラピストは、
そのテクニックを学ぶことに夢中になり、
ありとあらゆる患者様やクライエントに
そのテクニックを使ったりします。
後輩セラピストの技術練習にはなりますが、
その間のセッションが
クライエントにとって必要なものかは、
定かではありません。
むしろテクニックに走っているので、
「禁忌」や「注意」などを忘れていることもあります。
私自身もそういう時期があったので、
リアルにわかります。
私は運よく先輩にあっさりと怒られ、
リスクの高さについて指導されたので、
あっさりとやめることができました。
若い時には適度にテクニックに走ってもいいですが、
適度にストップをかけてくれる、
指導してくれる先輩を持つといいでしょう。
さて、これは治療者として、
私が後輩だけでなく、
クライエントにも同じことを思っています。
やってみたいことがあれば、
盲目的に挑戦してみることも一時期はいいと思います。
ただ、そのままにしておくことは、
故障やドツボにハマるだけなので、
ほどほどにしておくことをお知らせしています。
視野を広くもち、
楽しく、長く音楽やダンスを楽しんでください。